国際教育センター

校長あいさつ

帰国生の個性を磨く

 人は、知らず知らずのうちに環境から大きな影響を受けて育ちます。海外で過ごした帰国生の皆さんは、滞在した国の影響を受けて成長してきました。それは、誰もが経験できることではない、貴重なものです。その経験の中には、楽しかったことだけでなく、話しかけられても相手の言うことが理解できないなど、つらいこともあったと思います。楽しいこととつらいこと、そのどちらも貴重な経験でした。そして皆さんは帰国を意識したタイミングで、桐朋女子という学校と出会いました。
  帰国生と言っても、現地校に通っていて日本の学校は初めてという人もいれば、1年間日本人学校に通っていたという人もいます。そして経験してきた環境も多種多様です。桐朋女子は、帰国生が自然になじめる学校です。その背景には、桐朋女子では、様々な体験をしてきた多様な生徒が学んでいるということがあります。いろいろな生徒がいて、お互いに尊重し合えること。自分とは違う、ということで相手を否定しないこと。そんな風土があるからこそ、日本とは大きく異なる環境で生活してきた帰国生の皆さんも、自然に溶け込めるのだと思います。

世界を視野に  世界とつながる

  皆さんの中には、海外で言葉がわからないとき、親切な友だちが助けてくれたという経験がある人もいると思います。生活に慣れてきたら、逆に新しくやって来た友だちをサポートしたこともあるかもしれません。友だちの影響はとても大きいものです。それは桐朋女子でも同じです。今までも、帰国生の友だちと話をしている中で海外に興味を持った人や、友だちの、ネイティブスピーカーと同じような英語の発音を聞いて、私もあのようになりたいと思って将来の進路を考えた人が何人もいました。皆さんも友だちから影響を受けると思いますが、皆さんも友だちに影響を与える、そんな存在です。だからこそ、お互いに認め合う存在になるのです。

グローバルな観点を持つには、コミュニケーション力が必要

 せっかく苦労して身につけてきた高い語学力です。帰国後もその力を保ち、更に伸ばしていきたいものです。桐朋女子では、英語の時間の帰国生特別授業、放課後の帰国生だけの外国語会話教室、夏休みの英会話キャンプ、海外での研修、ターム留学など、英語を使う場面を多く用意しています。放課後のリソ講座という国語と数学の補講の講座も、帰国生だけの空間なので、英語が飛び交うこともあります。

 日本の授業に慣れ、日本の学校生活を満喫する。そして英語を忘れない。これらのことをバランスよくこなす。初めて帰国生を受け入れてから今年で65年、途中途切れることなく帰国生に選ばれていることが、桐朋女子の客観的な評価であると思います。
  皆さんとの新たな出会いを楽しみにしています。

学校長 今野 淳一

学校長 今野 淳一