TOHO文庫
図書館の一角に、「TOHO文庫」があります。
ここには、卒業生や教職員が執筆した書籍が並んでいます。
司書教諭 鈴木素子
書棚をみると、卒業生が様々な分野で活躍していることが見て取れます。在校生に、こんな進路や職業があるということを知ってもらい、自身の進路について考えるきっかけになればと思います。
ここにその一部を紹介します。
欲望という名の女優 太地喜和子(角川書店)
長田渚左 30期(白)
女優、太地喜和子とスポーツキャスターとしてのイメージが強い長田さんの取り合わせは意外に思ったが、そもそも大学進学で演劇科を志望したのは太地喜和子氏によるところが大きかったということがこの中に記されている。昭和の演劇界について太地喜和子氏の生きざまについて、長田さんだからこそ書けたノンフィクションとなっている。
子どもはアーティスト 心を育てるアシスト50(学研教育出版)
城戸真亜子 36期(白)
著書も幅広い分野に渡るが、義母の介護の経験から書かれた著作もある。この著書では、城戸さんが主催するアートスクールで実践している取り組みや画家としての体験から、50のアシスト術を紹介している。発想力、創造力はどのようにして養われるのか、アートの分野からアプローチしているが、子どもたちと接するとき、どんな場面でも共通して大事にしたいことばかりである。
猫島ハウスの騒動(光文社)
若竹七海 38期(緑)
こちらの本は「葉崎市シリーズ」と言われるものの中の一つである。葉崎市猫島という架空の島でおこる騒動。若竹さんが紹介しているように猫とミステリは相性がよいとのことで、猫好きにも楽しめる1冊である。若竹さんはコージー・ミステリの名手といわれ、生徒たちにもとても人気がある。
蜷川実花の言葉集(イースト・プレス)
蜷川実花 47期(青)
「シンプルで真っ直ぐな力強い言葉は読むものに力を与えてくれる。」こちらは今までにインタビューなどで語られた蜷川さんの言葉を抜粋し紹介したものである。どこを開いてもどこから読んでもよいので、パッと開いたところから思わぬ言葉を得てはっとする、そんな1冊である。
ちいさなみずたまり(ニジノ絵本屋)
松澤久実 53期(青)
ここに紹介する作品は松澤さんが原案、ノーム・コーン氏作画の絵本で、10年の歳月をかけて出版された絵本である。ニジノ絵本屋のサイトには松澤さんのインタビューが載せられていて、この絵本の出版にいたるまでの過程や込められた思いを知ることができるが、まずは予備知識なく読んで、自分の中に湧き上がってくるイメージを楽しんでほしい、そんな素敵な絵本である。