教育目標
結果だけでなくプロセスを大切にする
答えを覚える、公式を覚えてそれにあてはめる。そのような底の浅い学力は、今後、AIに凌駕されていくでしょう。桐朋女子では、結果だけでなく、そこにたどり着くまでの過程、すなわちプロセスを大切にしています。プロセスを理解してこそ、結果を知識とすることに意味が生まれます。それが幅の広い応用や次への発展につながります。
桐朋女子の中学入試における口頭試問や記述部分の多い筆記試験は、プロセスを大切にする姿勢を反映させたものです。入学後も、6年間を通して、実験・観察・調査・考察をレポー トにまとめる作業や、論述試験などを課していきます。また、テストの後にはテスト直しを指導し、成績は面談の中で伝えます。長年の実績に裏打ちされた多面的な評価軸をもって、プロセスを重視する教育活動を展開しています。
ことばの力を創造力に
人は「ことば」を通してあらゆるものを認識し、「ことば」によって思考し、「ことば」を用いて他者に考えを伝達します。私たちは、「ことばの力」はすべての活動の土台になると考えています。その土台の上に多様な活動を重ねて、論理的思考力(筋道立てて考える力)・発想力(知識や経験をもとに新しいエ夫や考えを生み出す力)・表現力(わかりやすく伝える力)を鍛え、主体性・協働性(積極的に取り組み他の人と協力する力)を養います。これらの力を合わせ持つことが、豊かな創造力(新しいものを創り出す力)につながります。
これからの時代、技術革新の波がますます大きくなることは間違いありません。それに伴い、私たちを取り巻く社会の様子も大きく変わっていくでしょう。変化する未来に対応できる、しなやかで芯が強い女性に成長するために、中学・高校で身につけるべきものは、知識や技能だけではありません。ことばの力を土台にして涵養された様々な力、そこから生み出された創造力こそ、未来を生き抜く糧となると考えています。
ブロック制
理想的な中高一貫教育を実現したブロック制度
中学高校の6カ年は、発達段階において非常に大きな変化を遂げる時期であり、内面的な成長の著しい時期です。
ブロック制の誕生は1970年(昭和45年)。
中高一貫教育の利点を生かし、ギャップの大きな中学生と高校生のスムーズな接続を考えて、ブロック制は生まれました。以来工夫と改良を重ね、常に発展を目指しながら今日に至っています。
Aブロック(中1・中2)基礎の時
生活
中1が入学して2ケ月、通学や授業のサイクルに慣れ始めた時期に、大きな行事、体育祭がやってきます。6月になるとクラブ活動が始まります。学習習慣の定着を図りながら、行事やクラブ活動などとの両立を目指します。中2では、行事を自分たちで動かし始め、中1を導いていく立場になります。中2は自然と共同生活を柱とする学年合宿を行います。
学習
「勉強がわかる」、「自分の力を発揮する場所がある」。そのためには努力が欠かせません。 Aブロックでは、自分の力で学習に向き合えるように、細やかな指導が行われます。数学・英語は少人数制で、国語では中1から古典の学習を、社会・理科・家庭科等では本物に触れる体験や実験などを通して、知識を増し関心を高める工夫をこらしています。
Bブロック(中3・高1)伸長の時
生活
中3、高1は学校の原動力です。クラブや行事において、高2が指示役なら、中3、高1の生徒は実行役の中心を担います。そして実際に運営していく過程で、色々なことが見えてきます。そういった経験を重ねることで、自分を知り、将来につながるきっかけにめぐりあう時期。卒業生の講演会や、進路適性検査などの様々な企画も、将来を考える時期の生徒にとって、良き“助言”となるはずです。中3は東北、高1は八ヶ岳で自然や文化に触れる体験を積みます。
学習
基礎的な学習習慣の上に、自立的に学習に取り組む力を育てるのがBブロックです。高1では生物・地理で希望者による宿泊合宿が八ヶ岳高原寮で行われます。
Cブロック(高2・高3)展望の時
生活
高2はあらゆる場面で学校全体をリードし、その責任を果たそうと努力します。高3は受験勉強に励みながら、学年やクラスの協調のもとに集団が結びつく喜びと充実感を味わう一年を過ごします。自分の個性をいかしながら同時に仲間を尊重する体験は、卒業後にも貴重な財産となります。高2の修学旅行では奈良・京都へ行き、日本の歴史と文化を学びます。
学習
高2・3の時間割は生徒が自分自身で作成します。学校が示した時間割の中から選ぶのではなく、数多くある選択科目の中から、自分の進路を意識して自分で組み立てた時間割で、授業に臨みます。自分に向き合い、納得できる生き方や職業の実現に向けて、今やるべきことを自分の意志で選択したもの。それが形となって現れたのがCブロックの「時間割」なのです。