2022年度を始めるにあたり
4月6日に行った中学入学式で、次の短歌を紹介しました。
制服は 未来のサイズ 入学の どの子もどの子も 未来着ている
これは歌人の俵万智さんの歌です。俵さんは昨年、迢空賞(ちょうくうしょう)という短歌の世界でとても大きな賞を受賞しました。その対象になった歌集が、この歌が収録されている「未来のサイズ」という歌集です。この歌に歌われているように、中学入学の際はちょっと大きめの制服を着ている人が多いことと思います。でもそれは未来のサイズ。今は未来を着ているんだ。なんとも素敵な表現ですね。桐朋女子で過ごす中で、今は少し大きめの制服が小さく感じられるように、身も心も成長して欲しいと思います。
翌4月7日、中1から高3まで全校生徒がグラウンドに集まり、始業式を行いました。グラウンドで全校朝礼を行ったのは2年半ぶりです。今年の新入生はもとより、昨年と一昨年入学した生徒にとっても、グラウンドでの朝礼は初めてでした。マスクはしたまま、隣との間隔をあけて整列しました。コロナ禍では各ホームルーム教室でテレビ放送での朝礼を続けてきましたが、全員で一堂に会したグラウンドでの朝礼は、生徒の中にも感慨深いものがあったようで、私語がまったく聞こえませんでした。学校の一体感を感じた、全校朝礼でした。
4月8日以降、オリエンテーション期間として健康診断や各クラスでの委員決め、授業を始めるにあたっての説明などを行いました。内科検診の担当医は、桐朋女子出身の医師にお願いしています(今年は1名急にご都合が悪くなり、同じ病院から代わりの女性医師が来てくださいました)。心臓の音が聞こえにくいので静かにするようにと毎年注意するほど、新年度早々の高揚感に包まれた中での検診ですが、今年はとても静かだったようです。毎年来ていただいている医師から、「どうしたんでしょ?」と尋ねられたほどです。どうしたというわけではなく、ここは静かにする場所であるという認識が、高揚感に勝った結果でしょう。その証拠に、検診後は高揚感を振りまいていました。
2022年度、よいスタートが切れそうです。