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校長コラム

校長室の胡蝶蘭

 校長室には、胡蝶蘭(こちょうらん)が4鉢あります。学校でいただいたものを校長室で預かっているものです。そのうちの一鉢はこの1月にいただいたもので、3カ月にわたり花を咲かせていましたが、4月上旬に最後の花が落花し、今は葉だけになりました。残る3鉢はそれぞれ1年前、2年前、3年前からある鉢で、既に葉だけになって久しいのですが、生きています。テレビで胡蝶蘭を見かけるシーンは、選挙の当選のお祝いに贈られる場面です。ただし選挙の場合、当選祝いのほとぼりが冷めると、花が咲いていても廃棄されるという残念なニュースを見たことがあります。それも割り切り方なのかもしれませんが、校長室では葉だけになってもそのまま育てています。いえ、育てているというほどのことはしていません。水をあげている程度です。あまり世話を焼いていませんでした。それでも3鉢のうちの一鉢は毎年3月くらいに蕾を持ち、3月下旬に花を咲かせます。売り物の胡蝶蘭のように花がたくさん咲くわけではありませんし、きれいに一列に咲くわけでもありません。思い思いの方向に芽を伸ばし、花を咲かせています。ですが、それもいいなと感じます。他の2鉢はなかなか咲かないので、なぜだろうと考えていましたが、ひょっとして日当たりが問題かなと考え、昨年、一鉢を日当たりのよいところに移しました。そしてときどき水をあげていたところ、2年ぶりに花を咲かせました。残る一鉢も少し日当たりがいいところに移しておいたところ、3月になって芽を窓の方に向けて伸ばしていることに気づきました。よく見ると小さな蕾がついています。じーっと見守っていたら、つい先日、開花しました。売り物には及びませんが、それぞれの鉢で胡蝶蘭が咲いています。思い思いの方向に伸び、花を咲かせています。

 花が咲かない年と咲いた今年の違いは、日当たり以外に思いつきません。小学校の理科でかつて学んだように、植物が成長するためには、水だけではなく日当たりが重要であることを改めて感じているところです。

 桐朋生として成長するためには、学習だけでなく、様々な学校行事が欠かせません。学校行事は、この2年の間、コロナの影響で中止または縮小しての実施が相次ぎました。誰が悪いわけではなく、致し方ない判断でした。2年の経験を経て、私たちは対応策を学びました。今年度は、学校行事を可能な限り実施したいと考えています。コロナ前と同じようにはできないかもしれませんが、桐朋生の成長に欠かせない学校行事を何とか実施したいと考えています。そのためにも、守るべきルールは守りながら、感染しない感染させないを意識して、日々を過ごしたいものです。

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