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校長コラム

ブラシの木

 桐朋女子中・高等学校のある仙川の校地には、数多くの植物が育っています。10年前にそれらの植物にプレートをつけるために調査をしたところ、128種の植物が確認されました。まだ調査が済んでいない部分が残っているので、実際はもう少し多くの植物が育っているようです。

 それら128種の植物の一つに、「ブラシの木」があります。5月から6月にかけて花を咲かせます。5月16日に見たところ、ちょうど開花が始まっていました。たくさんある蕾が少しずつ開花していく様子がわかります。ブラシとはその花の形状(正確には雄しべがたくさん集まった様子)から命名されたようで、試験管やビンを洗うブラシにそっくりです。英語ではBottlebrushと呼ぶそうで、まさにブラシの木ですね。花の色は赤が多く、白いものもあるようですが、桐朋のブラシの木はピンクです。ピンクの試験管ブラシを想像してください。原産地はオーストラリアで、明治時代に日本に入ってきたそうです。仙川の校地にも、どこかの時点で植えられたものでしょう。このブラシの木、通学路からちょっと外れたところに植えられているので、知らなければスルーしてしまうかもしれません。ですが、派手なピンク色の花は目に留まります。

 ブラシの木は、和名では金宝樹(きんぽうじゅ)というそうです。金の宝の樹木。何とも縁起がいい名前ですが、ブラシの木の赤い雄しべの先端に黄色の粉がついていて、これを金粉に見立てて命名されたようです。

 ブラシの木をインターネットで調べたところ、フトモモ科という科に属するそうです。フトモモ科とは何という名前だ!と驚かされますが、フトモモという植物があるそうで、それが代表するグループに属している、というわけです。フトモモの実物は見たことはありませんが、インターネットで調べたところ、花の形がブラシの木と似ていました。同じグループに属している所以でしょう。フトモモという名前が気になりますが、人間の太腿から名付けたものではないようで、桃の一種のようです。フトモモは元々中国原産の植物で、中国語の読みからフトという名前がつき、それに桃が足されたようです。

 同じフトモモ科に属する植物に、フェイジョアがあります。これも同じ仙川の校地に育っており、こちらもそろそろ開花を迎えます。フェイジョアは秋になると実がなり、それは食べられます。生徒にはあまり知られていないようですが。枇杷(びわ)の木もあり、まもなく実をつけるはずです。食べると、売り物の枇杷と同じ味がします。ただしお勧めしません。

 昨今、意識しなければ、植物にはなかなか目が向かないかもしれません。今日紹介したブラシの木以外にも、緑色がかった花が咲く桜、御衣黄桜(ごいこうざくら)などちょっと珍しいものも含め、仙川の校地には多くの植物があります。緑の貴重さに気づくのはそれを失ってから、ということにならないよう、目を向けて欲しいと思います。

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