人を育てる、自分を育てる
前回の投稿から1か月以上、開いてしまいました。予想外に仕事が立て込み、コラムをまとめる時間がとれず、反省しています。
今回のコラムは、9月下旬に中高生徒向け・保護者向けに発行した学内の広報誌「桐だより」の冒頭に書いたものに、多少手を加えたものです。生徒向けの言葉遣いになっていることをご了承ください。
先日の法人の会議で、理事長の河原先生(元女子中高の校長先生です)が挨拶をなさった際、「スポーツゴジラ」について触れられました。スポーツゴジラとは、小冊子のタイトルです。3カ月に一度程度の割合で発行されるフリーペーパーで、桐朋女子では各職員室前に置かれています。本屋さんに並ぶことはなく、決まったところでしか手にすることはできません。なぜ桐朋女子に並ぶかというと、編集長の長田渚さんが桐朋女子の卒業生というご縁です。
河原先生が話題になさったのは、この3月に発行された第54号に書かれた記事、「人を育てる」でした。これは、花巻東高校硬式野球部の佐々木洋監督が1月に行った講演を文字に起こしたものです。花巻東高校は、大リーグで活躍している大谷翔平選手の母校です。大谷選手、今年も大活躍しましたので、野球に興味がない人もニュースで名前は聞いたことがあるでしょう。投手として15勝、打者としてホームラン34本という結果も素晴らしいですが、投手として28試合に先発、打者として157試合に出場、これらはどちらもチームトップの成績だそうです。一年を通して故障することなく試合に出続ける。トップアスリートがハイレベルで争っている場に体調不良になることなく参加し続けることは、自分を節制し鍛えているからに他ならないからでしょう。シーズンが終わり大谷選手は帰国していますが、マスコミには全く登場しません。その点も、自分をコントロールする一環なのでしょう。写真は、10月上旬に高校1年生の東北研修旅行に同行した際、ホテルに置かれていた号外です。
大谷選手だけでなく、西武ライオンズから大リーグに行った菊池雄星選手も花巻東の出身です。二人を育てた佐々木監督に「第12回日本スポーツ学会大賞」が授与され、その記念講演が、スポーツゴジラにまとめて掲載されました。話し言葉をある程度書き言葉に改めているのでしょうが、とても読みやすい文章にまとまっています。サイトで自由にダウンロードできる形になっているので、気楽に読めるのもありがたいです。人を育てるというタイトルですが、自分を育てることにつながる内容です。内容の一部を紹介します。
◎「足が速くなりたかったら、足の速い人の側に行けばいい」自ら良い場所に行って良い人に触れ合うことこそ自分を伸ばしていく、育てるということじゃないでしょうか。
◎人に与えなきゃいけないものが4つある。ひとつは「環境」。ふたつ目は「責任」。3つ目は「夢」、4つ目に「愛情」。
◎人にかけてあげなきゃいけないものも4つある。「時間」「良い言葉」「期待」「負荷」
◎「夢と目標はそもそも違う」「夢は目標に変えなきゃ叶いませんよ」「数字があって期限があるのが目標だ」「目標は紙に書け」
これらすべてが佐々木監督の言葉ではなく、ナポレオン・ヒルという方の言葉も含まれているようですが、大きなヒントがたくさんあるように感じます。
スポーツゴジラ54号は、下のURLから確認できます。
http://sportsnetworkjapan.com/godzilla/pdf_54.pdf
5ページ以降が講演の本文です。よろしければ、ご一読ください。