HOME > 校長コラム一覧 > 「暑さ寒さも彼岸まで」は死語なのか?
校長コラム

「暑さ寒さも彼岸まで」は死語なのか?

 暑さ寒さも彼岸まで。昔からの言い習わしで、夏の厳しい残暑も秋のお彼岸の頃には落ち着き、徐々に秋らしくなると言われています。今年のお彼岸は9月20日から26日まででした。23日と24日の連休の頃は、朝晩はすっかり涼しくなったなと感じましたが、その後お彼岸が終わると日中は気温が上がり、まだ夏が居座っているようです。9月28日は府中の最高気温が33.6℃まで上がりました。彼岸が終わっても、残暑は未だ和らがずという印象です。ここ近年の夏の暑さを、気象庁のデータから裏付けられないかと思い、調べてみました。学校は東京の調布市にあります。調布のデータがあればよかったのですが、気象庁は調布では観測しておりません。府中にはアメダスが設置されているので、そのデータを利用しました。

①猛暑日の日数

 上記の表は、7月から9月までの府中の猛暑日(最高気温が35℃以上になった日)の日数を数えたものです。2023年は9月28日までの記録なので、確定値ではありません。2023年が最多日数かと思いきや、2010年の方が多かったようです。上記の表は3段組です。上段、中段、下段とほぼ15年ずつまとまっています。各段ごとに日数を見てみると、下段が最も多いのは明らかです。過去とは明らかに異なる傾向が見られるようです。

②最後の真夏日は何月何日?

 真夏日とは、最高気温が30℃以上になった日のことを指します。各年、最後の真夏日は何月何日だったのか、やはり府中の記録で調べてみました。

 ①と同様、1978年から2023年までの46年間をほぼ15年ずつに分け、3段の表にしました。網掛けになっている年は、真夏日を10月に記録した年です。つまり、残暑が厳しかったという一つの裏付けでしょう。2023年は今後の推移次第なので今年が終わるまで確定できません。現時点(9月29日現在)では9月28日に33.6℃を記録しています。これも3段を比較してみると、下段が、つまりここ16年が10月になっても暑かった年が多いことがわかります。

③最高気温の平年値との差

 7月から9月28日までの最高気温を、平年値と比べてみました。ここで言う平年値とは、過去30年間の平均だそうです。横軸に日にち、縦軸に差をとっています。棒グラフが上に伸びている場合は正の数、つまり今年の方が平年値より高かったことを示し、下に伸びている場合は平年値より低かったことを示します。平年値より高かった日が圧倒的に多いのがはっきりわかります。

 以上暑さや残暑を感じ取ることができる指標を、素人の肌感覚で調べてみました。その結果、9月になっても暑い日が続く傾向にあることは間違いないように思いました。表題の「暑さ寒さも彼岸まで」は、もはや時代に合わない言葉なのでしょうか。

最上部へ