留学生へのインタビュー
4月から1月末まで、高校2年生に留学生が来ていました。留学を終えるにあたり、校長室でお話しをしました。お名前はエミーさん、生まれ育ちはアメリカ・カリフォルニア州だそうです。お話しはほとんど日本語でやりとりし、ときどき英語が混ざる形でした。
Q「ここのところ毎日寒いですが、カリフォルニアも冬は寒いですか?」
A「カリフォルニアも、寒いときは寒いです。アメリカの私の家から見える山には雪も降ります」
Q「どうして日本に留学しようと思ったのですか?」
A「私は神社やお寺、日本の料理に興味があったからです」
Q「神社やお寺?なぜ?」
A「アメリカにはないし、とてもきれいだから。アメリカでは写真をたくさん見ていました。日本に来て、神社は神道、お寺は仏教という違いもわかりました」
Q「えっ、そんなディープなことまでわかったのですね。どこか印象に残っているところはありますか」
A「名前はわからないけれど、みんなメッチャきれい(注:メッチャが口癖のようです)。浅草もよかったし、奈良と京都で行ったところも全部よかった(注:修学旅行で奈良と京都を訪れました)。ホストファミリーが名古屋や北海道にも連れて行ってくれました」
Q「留学中、ホームシックにはかからなかった?」
A「いえ、かかりました。早く家族や友達に会いたい」
Q「留学しようと思ったのはいつ頃?」
A「12歳の頃です。実は留学は2回目で、14歳から15歳にかけてオランダに1年留学しました。実は私のお母さんがオランダ人なんです。そして今回も留学の機会を得ました」
Q「何か部活はやってみましたか?」
A「茶華道部に入っていました。お茶をたてたりお花を生ける経験もしました。後輩には『ありがとう』先輩には『ありがとうございます』と使い分けることも覚えました」
Q「えっ、そんなことまで…。」
A「でも日本語は難しい。ひらがな、漢字、カタカナと3種類あってとても大変」
Q「日本に来て驚いたことは何かありますか」
A「みんな塾に行っていること。みんな、学校、部活、塾という生活をしているけれど、アメリカには塾はない」
Q「帰国したらハイスクールに戻るんですよね?」
A「そうです。でも5月には卒業し、9月から大学生になる予定です」
Q「えっ、そうなの?」
A「3月にいくつかの大学に書類を提出し、進学する大学を決めます。9月に東海岸の大学に進学して国際関係を勉強したいと思っています」
Q「アメリカのハイスクールには、制服はあるのですか?」
A「カトリック系、プロテスタント系の学校には制服はありますが、公立の学校にはありません。私の通っているハイスクールは公立なので、制服はありません」
Q「日本の料理も好きと言っていましたね」
A「お正月のおせち料理、おいしかったです。お寿司も好き。でもウニは嫌い」
Q「日本にはどんな印象を持ちましたか」
A「みんな親切で町がきれい。そして安全。アメリカ人はときどき親切(笑)。留学する際、お母さんが安全な国にしなさいと言ったので日本にしましたが、安全でよかった」
A「一人で電車やバスに乗って神社やお寺に行きました。電車やバスもきれい。アメリカと違う。あと、新宿や渋谷、原宿にも一人で行きました」
Q「えっ、怖くないの?(注:そう言えば、京都の清水寺でも平気で一人で歩いていました)」
A「全然怖くありません。みんな親切だから」
語学を学ぶだけなら、わざわざ現地に留学しなくてもある程度は学ぶことができる昨今です。ですが、エミーさんの話を聞くと、この9カ月の滞在で、言葉だけでなく日本の文化や身近な習慣、教科書には載っていないことなど、日本にいなければわからないことをたくさん吸収したようです。相槌の打ち方は日本人とすっかり同じで、「メッチャ」を的確に使いこなしていました。そして在校生も、エミーさんと過ごしたことで教科書からは得られないことが得られたはずです。
Thank you, Emme!