留学生へのインタビュー2024年7月
4月から７月まで、高校2年生に留学生が来ていました。留学を終えるにあたり、校長室でお話しをしました。お名前はヴィットリアさん、生まれ育ちはイタリアです。お話しは日本語でやりとりするようお互い努力しながらも、困ったときは友達が英語でサポートしてくれました。
Q「どうして日本に留学しようと思ったのですか？」
A「アジアに興味があったからです。中国も選択肢にはあったけれど、日本のアニメを見ていたので、日本を選びました」
Q「日本のどんなアニメを見たのですか」
A「ジブリの映画、イタリア語版です」
Q「日本に来て間もなく４カ月ですが、イタリアに帰りたくなりませんか」
A「全然(笑)。日本は楽しいし、みんな優しい」
Q「日本に来て驚いたことは何かありますか？」
A「子どもが一人で電車に乗ること。イタリアではあり得ない（注：今回、通訳を兼ねて二人の友だちが同席していました。二人とも海外での生活体験がある人ですが、通学の際はスクールバスまたは保護者が車で送迎していたそうです）」
Q「休みの日に、一人でどこか出かけてみました？」
A「渋谷に行ってみました」
Q「怖くなかった？」
A「全然(笑)。わからないことは日本語で訊きました」
Q「好きな食べ物は？」
A「ラーメン。みんな美味しい」
Q「苦手な食べ物はある？」
A「ワサビと納豆…」
Q「桐朋の授業はどうでしたか？」
A「イタリアでは机に向かっている時間が多いけれど、桐朋はアクティビティが多く、違いを感じました。面白かったのは英語とデザイン。難しかったのは日本史…」
Q「部活は何かやってみましたか？」
A「書道部、茶華道部、家庭科部を体験しました。イタリアでは写真部でした」
Q「イタリアに戻ったら何年生に戻るの？」
A「５年生です。通っているのは男女共学の学校で、１クラス２４人です」
Q「将来の夢は？」
A「まだ決まってないけれど、旅行関係に興味があるし、貧しい国で子ども向けにボランティアをやってみたい」
Q「８月には帰国だけれど、帰国までにやってみたいことは何かありますか？」
A「カラオケをやってみたい。あと、横浜に行きたい」
とても積極的なヴィットリアさん。わずか４カ月で日本語がかなり聞き取れるようになり、話せるようになっていました。日本に留学することが決まった際、イタリアで友達に「これから半年間、日本に行く」と話したところ、クレイジーだと言われたそうですが、この半年でいろいろ吸収したようです。苦手なものとしてワサビを挙げるということは、挑戦したからですね。朝、「おはようございます」と日本人と全く変わらないアクセントでハンディ扇風機を片手に挨拶する様子は、普通の高校生です。桐朋に入る際提出した写真の中にピースをしている写真があったのでイタリアでもするのか尋ねたところ、ヴィットリアさんは普通にするとのこと。同席した二人も「海外でもピースはする」と話していたので、日本固有のものかと思っていた私の認識間違いまでわかりました。
８月には広島を訪れる予定だそうです。１２月までいたならば、桐朋の宿泊行事で奈良と京都に行く機会があったのですが、９月からイタリアの高校に戻るとのこと。桐朋での学校生活、一人で電車に乗って通学したこと、渋谷への冒険、これから行く広島での見聞。クレイジーと思われた日本での半年の経験が、今後につながることを祈ります。
